http://www.tronshow.org


 2009年のトピック(海外)


T-Engine

 

海外の展開
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シンガポール、ベトナム、台湾、中国、ヨーロッパなど、各地でT-Engineを利用した研究開発が進んでいます。

各地の拠点での教育、開発活動については別に述べますので、ここでは中国、ヨーロッパでの展開をとりあげます。

 

中国 T-Engine Forum China(仮称)設立

中国では、これまで各地にT-Engine / T-Kernelを使った開発などを行う活動がありましたが、日本側からサポートのための窓口を一口にしようという大きな動きが今年ありました。この結果12月に正式発足となる T-Engine Forum China(仮称)が設立されて、中国国内でのT-Engine/T-Kernel をはじめとするTRON プロジェクトの成果の普及活動を行うことになります。できたばかりの団体ですので詳しい今後の活動方針などは2010年に入ってから広報されることになる予定です。

中国でのこれまでの大きな活動としては、上海・復旦大学 uID/RFID オープンラボラトリの開設などがありました。

 

上海・復旦大学 uID/RFID オープンラボ

2006 年7 月、YRPユビキタス・ネットワーキング研究所が東京大学坂村研究室と協力して、中国におけるユビキタスID 技術 の研究・開発・普及を行う拠点として、中国・上海の復旦大学と共同で「復旦大学 UNL uID/RFID オープンラボ」を設立しました。オープンラボ内にはユビキタスID技術やT-Engine関連技術を紹介する常設技術展示場も備えています。復旦大学は、中国では「北の北京大学、南の復旦大学」と称される名門国立大学で、創立100年以上の歴史があります。uID/RFID オープンラボが設置されたソフトウェア学部は上海市東部のZhangjiang(張江区)にキャンパスがあります。OS や言語処理系、e-Commerce等の研究が行われており、e-Commerce面でのRFIDに関する研究は中国国内でもっとも進んでいます。

今後は、既存の拠点も参加してT-Engine Forum Chinaと共同してプロモーションが行われることになっていくでしょう。

 

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ヨーロッパ

これまであまりスポットライトがあたることがなかったヨーロッパでのT-Engineを使った開発ですが、2009年欧州カー・オブ・ザ・イヤー受賞車で独オペル社が現在欧州市場で販売するインシグニアに搭載されているボッシュGmbH の車載インフォテインメント(「DVD 800 Navi」など)に、T-KernelをベースにしたT-Engineフォーラムメンバーのイーソル株式会社のeCROS が使われています。

Bosch GmbHのセールスエンジニアがセールス活動に苦労したことから、T-Engine/T-Kernel の売込みには技術についての広報記事が欠かせないということで、ボッシュGmbH の関係者がドイツの雑誌にT-Engine/T-Kernel の記事を執筆しました。ドイツでも組込みシステムについての記事を載せる専門雑誌は多くなく、記事の執筆から一年近くたってから、ELEKTRONIKPRAXIS(発行元:Vogel社)という雑誌で陽の目をみることになりました。この記事が2009年10月に発表された後、ドイツからT-Kernel のソースコードのダウンロードが急激に増えたことから、興味が高まっていることがわかります。

今後ともT-Engineフォーラムでは広報を活発に行っていく予定です。

 

雑誌

 

 

各地の拠点の説明
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今年は、海外の大学関係の各拠点でT-Engine/T-Kernelを利用した講義が根付き始めている、という重要な動きが活発となった年です。

 

シンガポールでの展開

シンガポールはT-Engine/T-Kernelの普及において アジアの一大研究開発拠点となり、以下のような団体が活発にT-Engine/T-Kernelを使った研究、開発、T-Engine/T-Kernel のプロモーションを行ってきました。

  • CHiPES (Centre for High Performance Embedded Systems)
    NTU (Nanyang Technological University)
    南洋理工大学 高性能組込みシステムセンター
  • RP (Republic Polytechnic)
  • Viometrix
  • TEADEC (T-Engine Application Development Centre)

T-Engine 関連:CHiPES、NTU

CHiPES は後述の TEADEC創立メンバーのひとつですが、ここでは Infineon TriCore processorsなどへの海外初の新CPUへの移植を行い、このT-Engine プラットフォームへのソフトウェアの開発、移植も盛んに行っています。TM-Console、IMS、TCP/IP スタック、ファイルシステムの開発などは過去のTRONSHOW でも紹介されています。

CHiPESでは 大量にこれらのT-Engine/T-Kernel を研究基盤として利用していて、現在は、動的省電力制御などに興味があり、教育課程にも当然利用しています。大学全体での組込み教育に広げることを現在企画しているとのことです。

 

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T-Engine 関連:RP

シンガポールのRepublic Polytechnicは 日本の高等専門学校に相当する教育機関です。

2008年より卒業実験でT-Engine / T-Kernel を利用して、2010年1月には 講義も開始される予定です。

RPの講師には以前にCHiPESで研究をしていた人たちもかかわっており、研究ネットワークがシンガポールで形成されていることが伺われます。すでに実験プロジェクトでできた成果がいくつかあり、TRONSHOW2010の展示で紹介予定です。

 

T-Engine 関連:Viometrix

Viometrix Pte Ltd.は CHiPES, NTU の卒業生が創立したエンジニアリングコンサルテーション会社で、組込みシステムの各種コンサルティングを行い、またRFID タグなどに使われる商品コードのシンガポールにおける標準委員会での代表を務めるなど、流通業界に対するコンサルティングなども行っています。自動車業界向けのソフトウェア開発にも携わるなど、新興ですが、幅広い活動を行っています。

創立者の一人が、CHiPESにいたころ、英語でのT-Engine/T-Kernel の資料を充実させるために、以前より運営されていた個人英語情報サイトがあります。

http://www.onghu.com/

 

この成功に鑑み、TEDN (T-Engine Developer Network) を T-Engineフォーラムからの依頼で開発、運用開始しました。これにより 「英語」での技術使用、情報交換の場が英語を使用している海外のプログラミングコミュニティに提供されることになります。

http://www.t-engine.info/

 

T-Engine 関連:TEADEC

TEADEC(T-Engine Application Development Centre)は、2003年10月にシンガポール政府のEDB(Economic Development Board)、CHiPES NTU, Renesas Systems Solutions (当時)により設立されたNPOで、T-Engine/T-Kernel技術の普及促進を図る団体です。

ベトナム、タイ、オーストラリア、ニュージーランド、中国などの地域でトレーニングなどの提供をして普及に活躍しました。これまでの貢献には多大なものがあります。

今後は前述の CHiPES、NTUとViometrixなどが中心となって活動し、TEADEC のウェブサイトは TEDN に発展吸収される予定となっています。

 

T-Engine 関連:Vietnam

ベトナムの HCMUT(Ho Chi Minh City University of Technology ホーチミン国立工科大学)には2004年にHCMUT Renesas SUPER H 研究室が設立され、TEADEC はRSS の援助で、この研究室にトレーニングを行いました。その後の立ち上がりは非常に早く、T-Engine/T-Kernelの教科書も既に書かれています。それ以降、ベトナム南部での重要な組込みシステム開発拠点となっています。ベトナムでトップクラスのロボコンクラブ BKIT もここにあります。

すでにT-Engine にMP3プレイヤ、ミドルウェア、グラフィクスライブラリなどを移植するなど活発な活動を行っています。特筆すべきは2009年9月より、講義が行われていることで、最初の学期のための教材、カリキュラム作りが行われるなど、日本のT-Engineフォーラムも協力しました。

TRONSHOW2010 で成果の一部を発表予定です。

 

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Ubiquitous ID Technologies

 

欧州プロジェクトCASAGRASへの参画
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CASAGRAS( Coordination and Support Action for Global RFID-related Activities and Standardization) はEU が支援する大型プロジェクトで、2008年初頭よりRFID に関連した技術の開発や標準化に関して調査と基礎研究を行ってきました。欧州では、ネットワークとRFID を使って、実世界と仮想世界を融合する取り組みのことを、“The Internet of Things” と呼んでいます。CASAGRAS は、まさにこのThe Internet of Thingsの実現に必要な技術とは何かを探り、実現していく過程で、必要な標準は何かをEU 全体に提示していくための重要なプロジェクトです。日本からは唯一、YRPユビキタス・ネットワーキング研究所がフルパートナーとして参加して、途中段階の白書、最終報告書の執筆、作成に参加しました。そしてユビキタスID の技術を提示することで未来のビジョン作りに貢献しました。

当初は18ヶ月のプロジェクトでしたが、成果の重要性を鑑みて、EU政府から報告書を紙で出版して、大きな発表会を開くことを要請されました。このため2009年10月に最終報告書の発表会議がロンドンで行われて、そこで最終報告書の概要の紹介、各フルパートナーが講演を行いました。

最終報告書、途中段階で発表された各種白書、発表資料は以下のwebサイトで見ることができます。

http://www.iot.eu.com/


すでに、CASAGRAS-2を開こうという動きや、CASAGRASの最終報告を見たヨーロッパの団体から共同プロジェクトの申し込みが相次いでいます。

 

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Copyright 2009 TRON Symposium Steering Committee