湘南工科大学は湘南海岸のそばの恵まれた環境に位置し、工学部(学部)と工学研究科(大学院)からなります。大谷研究室は情報工学科および電気情報工学専攻に所属するソフトウェアの研究室で、OSやミドルウェアに加え、自律型の組込みソフトの研究開発を行っています。研究成果の一つであるT-Kernelにおける分散共有メモリサポートを今回展示しております。
組込み機器の高性能・高機能化に伴い、センサネットワークシステムなどの協調動作する自律的なユビキタスシステムが増えています。この様なシステムを効率的に開発するためには複数の機器を透過的に扱える分散共有メモリが必要だと考え、私たちはこの研究開発を行いました。
分散共有メモリでは複数の機器が同じ共有仮想メモリを持ち、ここに書き込んだデータは他の機器から読むことができます。この共有仮想メモリの実メモリはそれぞれの機器に分散しています。(図1)
私たちが開発したソフトウェアでは特別なAPIを使うことなく、共有仮想メモリに透過的なアクセスをすることができます。
このソフトウェアは次の二つのプログラムで構成されます。
DSMM
(Distributed Shared Memory Middleware)
RMAD
(Remote Memory Access Driver)
DSMMはOSの一部として機能し、分散共有メモリとしてのメモリ制御を行います。
RMADはメモリ高速転送をするためのデバイスドライバで、DSMM用に開発したものです。(図2)
開発環境はT-Engine/ARM920-MX1とT-Engineフォーラムの公式HPでダウンロードが可能なT-Kernel 1.00.02及びT-Kernel/Standard Extension 1.00.00を用いました。
TRONSHOW2010での展示ブースでは、パネルによる開発ソフトウェアの説明と分散共有メモリミドルウェアを使ったアプリケーションのデモをお見せします。(図3)

図1. 分散共有メモリシステム

図2. アーキテクチャ

図3. デモシステム