住宅の履歴情報をucodeで特定
1. 情報の特定性確保の必要性
環境問題解決の切り札は、民生部門の改善にあるとされ、住宅の長期使用が焦眉の急を要する政策となっている。住宅の長期使用は、新築時の対策もさることながら、維持管理やリフォーム工事等の対策も重要で、情報を活用するための蓄積が鍵と言える。当財団は、国土交通省の補助を受けた「住宅履歴情報整備検討委員会※」で住宅の情報の扱いについて検討しているが、情報の蓄積については特定性の確保が不可欠と結論付けている。分散した情報を活用するには、一元的で時系列的に整理しないと活用できないからである。ここでは、同委員会で検討している情報の特定性確保について紹介する。
2. 住宅履歴情報の蓄積と特定性確保
建物の情報は、大手が建築する場合、一式全てを蓄積しておくのが一般的だが、住宅の様に中小が建築する場合、新築時のものは当該会社に蓄積されるが、以降の機器交換等の情報は機器メーカ等に分散して蓄積されるのが普通である。
このため住宅所有者が後日リフォーム工事をしようとしても、情報の在りかが分からなかったり、一覧ができないという問題があった。これを防ぐため住宅にID(共通ID)を発行し、分散する情報を紐付け一元管理することを目指しているが、 重複発行の防止、名寄せの確実性確保等、特定性確保を担保するため、IDはucodeを使用することとなった(図1)。

図1 共通ID発行の仕組み
3. 他のシステムとの連携の必要性
我国は環境問題のみならず、住宅分野に限っても偽装問題やリコール問題など様々な問題が生じている。また、少子高齢化社会を控え、建築分野の一層の生産性向上が不可欠となる。これらの問題の解決の共通のキーワードとなるのが個々の識別であり、効率を高めると共に無駄を排除する識別管理という考え方である。
図2は、住宅に共通IDを発行し、そのIDは住宅履歴の情報管理だけを行うのではなく、住宅に関連する他の情報システムにも展開される様を示している。共通IDが住宅を建設する際の許認可DBやトレーサビリティシステムと紐付けられれば、新築時の信頼性が担保されるだけでなく、使用時の製品リコール時の安心・安全にも寄与することとなる。
4. ucodeが実現する信頼性
住宅の長期に渡っての利用という目標を達成するのに、住宅の由来、即ち住宅の履歴に関する情報を明確にする必要がある。委員会の一連の取り組みは、住宅政策に符合するものであるだけなく、環境問題といった国際公約の達成も視野に入れた取り組みである。その要となるのが住宅の履歴を示す情報の特定性の確保であり、その担保となっているのがucodeである。当財団は、委員会と共に以上の目標の達成に全力で取り組んでいる。

図2 共通IDを活用した情報の展開イメージ
※ 2007年度に設置され、学識経験者及び住宅の供給・維持管理・流通等に関する多様な関係者等の参画により、住宅履歴情報に必要な標準形の情報項目や共通ルールのあり方、普及方策等の検討を進めている。委員長は野城智也東京大学教授。