■ 電脳コンクリート®
住友大阪セメントは、YRPユビキタス・ネットワーキング研究所と共同で、『電脳コンクリート®』の開発に成功しました。
ICタグやセンサーを公共施設や建物など(場所)や、貨物や住宅部品など(モノ)に設置し、地理空間情報をはじめとした様々な情報と有機的に結びつけることにより、これからの社会資本整備・管理の効率化・高度化、ヒトの移動の支援など、多様で新しい社会基盤が出来ます。
住友大阪セメントがいま、『電脳コンクリート®』でご提案するのは、身近な生活空間において「いつでも、どこでも、誰でも」必要な情報を入手することができる環境を作ること。住宅の履歴情報を『電脳コンクリート®』によって整備し、住宅等の長寿命化と適切な維持管理及びリフォームに貢献すること。そして、「安全・安心」、「経済発展のための効率よい経済活動の可能な国づくり」に貢献していきたいと住友大阪セメントは考えています。
■ 技術紹介
コンクリート品質管理システム
現在のコンクリートは、超高層ビルや大型構造物などのニーズに合わせて、セメント、砂利、砂、水と数種類の混和材料が加えられています。その組み合わせは、今や高度化、多様化しています。
住友大阪セメントが開発した『電脳コンクリート®』による品質管理システムでは、品質管理試験の全ての工程において、「ucode」を利用し、識別と記録ができますので、データ整理や取り纏めが簡便で確実に行えます。
また、生コンの製造情報は、「ucode」によって紐付けられた管理サーバーに保管され、いつでも、どこでも、ユビキタス・コミュニケータによって確認することができます。
このように、セメント・コンクリートの分野にユビキタス・コンピューティングの技術を応用することによって、従来のアナログ作業の省力化、ならびに試験の効率化と試験精度の向上を可能にしました。
また、このシステムで計測されたデータ・情報は、これまで生コンクリート工場をはじめ、コンクリートの品質管理システムとして普及している「SuperNet XL-Q」(住友大阪セメント関係会社:住友セメントシステム開発)に自動的にインプットされて、必要に応じてデータとして使用できます。

図-1 コンクリート品質管理ソフト(SuperNet XL-Q)
生コン輸送車情報システム
生コンクリートを運搬する輸送車に「ucode」を格納し、製造工場の出口ならびに納入現場の入口などでユビキタス・コミュニケータを用いた情報の伝達を行います。これにより、出荷時間、到着時間の管理を行うことができます。また、輸送車の管理データベースに、納入先、材料、配合などを登録しておくことで、現場に納入されるコンクリートの品種も瞬時に確認することができます。
さらに、コンクリート品質管理システムと生コン輸送車情報システムとを紐付けすることで、生コンクリートの製造・品質管理・出荷・納入といった一連の工程をトレースするトータル管理システムが構築され、作業の効率性、製品の信頼性向上が達成できます。
コンクリート製品への応用
コンクリート製品※の製造から施工までの間には、数多くの工程があります。具体的には、使用材料・養生条件・物性・構造・出荷納品関係、さらには施工やメンテナンスなどです。ここでも『電脳コンクリート®』の技術を応用します。複数の情報をひとつの「ucode」に紐付けし、「コンクリート製品トレーサビリティシステム」が構築され、コンクリート製品そのものから履歴と品質の確認ができるようになります。
※コンクリート製品とは、管理された製造工場内で作られる、工場製品のコンクリート。ボックスカルバートやL形擁壁など。
建造物・インフラへの応用
住友大阪セメントはYRPユビキタス・ネットワーキング研究所と共同で、建造物の設計情報や材料の品質情報、点検・補修履歴等の情報を現地で確認できる「建造物トレーサビリティシステム」を提案しています。「東京ユビキタス計画・銀座」(実施協議会:東京都、国土交通省)が行っている民間参加実験に参画し、昨年度は、モデルとして「銀座共同溝」の情報提供を行いました。設置位置図、配置図、設計条件や附帯設備の情報などとともに、建設当時の施工写真などもPC画面で確認できる仕組みについてご提案しました。

図-2 「銀座共同溝」提供情報の一例
住友大阪セメントが開発した『電脳コンクリート®』は、「建造物トレーサビリティシステム」の構築を可能にします。住宅等の適切な維持管理及びリフォームを行うことによって、長寿命化と省資源化に対応し、何世代にもわたり活用できる良好な社会的資産が形成されると期待しています。
住友大阪セメントでは、より高度なシステムの完成を目指し、事業分野ごとの実証実験を積み重ね、これら以外の分野にも『電脳コンクリート®』の技術を展開してまいります。