|
株式会社アプリックスでは、JTRON仕様が発表された1997年頃からTRONに関する技術に積極的に携わってきており、その当時に得ることのできたJava™技術に関するノウハウは、その後携帯電話向けに大きく花開くこととなりました。現在、当社の主力製品でありますJBlend™は、国内外の携帯電話向けに年間1億台以上を出荷しており、これはひとえにITRONが可能にした携帯電話の高度化の波に技術を集中することができたためと確信しております。
このように現在アプリックスでは携帯電話向けのソフトウェア開発・供給を事業の柱としていますが、携帯電話以外の組み込み機器についても積極的に技術展開を進めております。そのひとつが、数年前から開発しているマイクロコントローラ向けの技術であり、TRONSHOWにおいてもJBlend[nano]として数年前から紹介させていただいております。JBlend[nano]は、これまで培ってきた組み込みソフトウェアに関するノウハウをもとに独自開発したものであり、組み込み機器のソフトウェア開発に必要である各種の技術を盛り込んでいます。マイコン向けに省メモリ化したのは勿論のこと、これまでのソフトウェア資産をJBlend[nano]を用いた開発でも活用いただけるよう、JBlend[nano]アプリから直接C言語のネイティブライブラリを呼び出すことが可能となっています。特にハードウェアに特化したドライバなどは、既に商用実績があり、品質が担保されているものを使いたいというのがエンジニアの要望です。このようなニーズを取り込み、かつJava言語が可能にする開発生産性を享受できるのがJBlend[nano]の大きな特徴となっています。これ以外にもPCを用いたGUI画面の開発(仮想マシン技術を用いることで、PC上のエミュレータで開発したGUIアプリケーションが、そのまま実機上で動作します)、Java言語という汎用言語を用いることによる開発エンジニアの確保のしやすさ、アプリケーションをデザイン部とドライバ部に分離して開発できるなど、組み込みソフトウェアの開発を大きく飛躍させることができる開発環境となっています。
昨今タッチパネル式のユーザ・インタフェースが注目されており、携帯電話のみならず、組み込み機器においても、ユーザ・フレンドリーな操作方式として採用が検討されてきています。当然、JBlend[nano]はこのようなインタフェースを開発するのに最適なソリューションといえますが、さらに最近ではネットワーク化のニーズが非常に高まってきています。いわゆるネットワーク化されたタッチパネル式GUIを操作画面として、様々な機器との連携によって新たな付加価値を提供しようという動きです。その機能の多くは、現在はハードウェアによって実現されていますが、これでは汎用性がなく、より高度な付加価値、例えばユーザごとにカスタマイズされた操作画面を提供することなどが非常に難しくなります。ソフトウェアによるソリューションは、このようなカスタマイズのニーズに対応できるだけではなく、さらにネットワーク化されることより、遠隔地からの付加価値提供が可能となります。例えばタッチパネルを一つのサービス提供窓口と捉え、ネットワークを介して様々なサービスが提供できるようになります。このようなソフトウェア・ソリューションは、これまではPCなどで利用されているソフトウェアを流用する形で展開されることが多かったのですが、組み込み機器に特化したものではないため、必要なハードウェア・プラットフォームは高性能なものにならざるを得ません。これでは機器が偏在するユビキタスな環境を実現するにはいささか不都合であると言えます。アプリックスでは、このような状況を鑑み、これまでの組み込みソフトウェアに関するノウハウを駆使することで、マイコンのようなより低位なCPUでも、高機能なCPUと同じようなネットワーク機能、GUI機能を実現可能とすることを目指し開発を進めてきました。TRONSHOW2009にて展示させていただく「ubiquitous widget(仮称)」はまさに、ユビキタスな情報社会の実現には不可欠となる、コンパクトなネットワークGUIソリューションです。
TRONSHOW2009では、T-Engineボード上で動作するubiquitous widgetをはじめ、複数のデモ展示を予定しています。GUI画面の開発容易性と、ネットワーク機能をもちいたアプリケーションやサービスの可能性についてご覧いただける予定です。ぜひアプリックスブースまで足をお運びいただき、ubiquitous widgetがもつ可能性をご体験ください。
|