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山梨大学

■所在地
〒400-8511
山梨県甲府市武田4-3-11

■担当部署
工学部コンピュータ・メディア工学科コンピュータサイエンスコース

■TEL
055-220-8651

■FAX
055-220-8651

■E-mail
nabe@yamanashi.ac.jp

■URL
http://www.cs.yamanashi.ac.jp/f/
index.html


出展者


山梨大学工学部コンピュータ・メディア工学科コンピュータサイエンスコース




展示紹介


T-Engineボードを利用した大学教育事例を紹介します.

山梨大学工学部コンピュータ・メディア工学科及び山梨大学大学院医学工学総合教育部コンピュータ・メディア工学専攻(修士課程)では,情報技術の教育・研究を通して,コンピュータと人類が共生する豊かな社会の構築を目的としています.

コンピュータ及び情報ネットワーク技術の進歩にともない,情報技術はあらゆる分野に浸透し,複雑なシステムの分散統合的管理運営を可能にし,産業構造さえ大きく変えようとしています.電子商取引はもちろん電子政府まで構想され,ネットワークによって結合されたグローバルな情報基盤が人間社会の活動に不可欠なものになりつつあります.このような状況において,有能な高度情報技術者の養成は急務であり,過去・現在と情報技術教育を担ってきた本学科・専攻は,これら情報分野の中核で活躍できるスキルフルな情報技術者を養成するとともに,快適でかつ人間にやさしい社会の実現を図るために,学生を教育しております.

この教育理念を実現するために,本学科は,コンピュータサイエンスコースと情報メディアコースの2つのコースを構成し,両コースは,それぞれ情報系共通の基礎的な科目群とコースの特色を活かした科目群を開設し,次世代の情報系技術者・科学者を育成しています.

特に,コンピュータサイエンスコースでは,今日のコンピュータサイエンスの基盤となる理論と技術に重点をおいた教育を行い,幅広いコンピュータ関連分野で活躍できるコンピュータ・エンジニア,コンピュータ・サイエンティストの養成を目指しています.本コースに属する学生は,情報処理に必要な数学的基礎理論にはじまり,論理回路設計やコンピュータアーキテクチャなどのハードウェア技術,プログラミング言語,オペレーティングシステム,ソフトウェア設計技法などのソフトウェア技術について学びます.高学年に進んでからは,次世代高速ネットワークとネットワークコンピューティング技術,データベース技術,ソフトウェア開発技術,組込みシステム設計技術,プロジェクトマネジメントといった,時代をリードする技術者に必要とされる理論・技術を修得して行きます.情報系分野で用いられる技術や理論は無限の応用を提供するものですが,コンピュータサイエンスコースでは,単にコンピュータが使えるというにとどまらず,それらの基盤をしっかり学習することにより,どのような応用分野でも活躍できる人材の養成に努めています.

また,カリキュラム編成上では,組込みシステムトラックとシステムソリューショントラックを設けています.特に,組込みシステムトラックでは,ディジタル回路,ハードウェア設計,ハードウェア設計演習,ハードウェア実験,計算機アーキテクチャなどの科目を開講し,ハードウェアとソフトウェアを融合したシステムの実現のために必要な知識を取得することができるような構成となっています.

さらに,大学院医学工学総合教育部コンピュータ・メディア工学専攻では,ユビキタスコンピューティング,エンタープライズコンピューティング,知的メディアコンピューティングの3つのトラックを編成し,教育を行っています.特に,ユビキタスコンピューティングトラックでは,修士論文に関連する科目群以外の必須科目として,インタラクション設計特論,画像メディア処理特論,選択必須科目として,情報数理セキュリティ特論,ソフトウェア開発工学特論,意味的マルチメディア処理特論,インターネット工学特論,感覚情報メディア特論,人工知能特論を開講しています.これらの科目群を履修することにより,遍在する情報システムを実現するための技術を学ぶことができます.例えば,人とコンピュータ(機器)とのやり取りを楽しく効率的にする技術,画像や音楽の著作権管理や個人情報保護の技術,デジタルカメラや携帯電話などで使われる画像や音声の処理技術などを学びます.

また,本大学院ではコンピュータ・メディア工学専攻とは独立なプログラムとして,組込み型統合システム開発教育プログラムを設けています.このプログラムは,機械工学,電気電子工学,情報工学を融合させ,組込み型統合システムの開発に特化したプログラムです.

以上のカリキュラムを背景に,T-Engineボードを利用した講義と演習を実施しています.講義では,組込みシステムの定義,実例,パソコンとの違い,組込みシステムの特徴,組込みシステムの課題などを説明しています.また,演習では,T-Engine/SH7727開発キットソフトウェアを利用して,SH7727ボード上で動作するプログラムをプログラミング言語Cを用いて作成し,クロスコンパイルしています.プログラミング言語Cでのプログラミングは本学科・専攻専用のコンピュータルームにあるLinuxマシーン上で行い,ファイル転送することにより,T-Engine上で動作を確認するというプロセスを経て実現しています.この演習を受講した学生からは以下のような感想がありました.

  • 初めて組込みソフトウェアについて詳しく学んだが,今まで単一のホスト上で動くようなプログラムと違い,複雑で難しく感じた.プログラムを勉強しているのでよく様々なシステムをソフトウェアで実現する方法を考えているが,実際にそれをハードウェアに組込み,動作させるのは大変な苦労があることを学ぶことができた.
  • 実際にハードウェアにソフトウェアを組み込むことを経験し,組み込みソフトウェアの概念が理解できた.パソコンからソフトウェアをメモリに書き込み,1つのハードウェアを1つのアプリケーションの専用機として動作させたこと,そして,プログラムの解析を通して組み込みソフトウェアがどのようなものか,制御のためにどのような構造になっているのかなど,貴重な経験が出来たと思う.
  • 実際にT-Engineを使ってみての感想は,インストールから実行までの手順は比較的簡単で,使い方も画面にタッチするだけでよく,T-Engineを使用するユーザの立場から見るとソフトをロードするだけでいろいろな機能を簡単に使用でき便利さを感じた.
  • 組込みソフトウェアを体験してみて,携帯電話や車に使用されている仕組みを少しではあるが理解することができた.組込みソフトウェアに興味を持ったのでこれから勉強したいと思った.
  • T-Engineを用いたプログラムは,プログラムの内容が実際のものとして実現されるので,組込みシステムを開発する様子を体験することができた.携帯や家電や自動車などにあわせソフトウェアを開発することで,様々な機能をもたせることができるとわかった.実環境で使うためには小型化やコスト,消費電力を抑えるなど,ハードウェアの面からも工夫することが必要であると思う.
  • タスク間の通信や同期を制御してプログラミングできる点,画面表示やキー入力やタッチパネルからの入力をそれらのデバイスを用いてプログラミングできるという点,そして,機械的なスイッチであるSW1,SW2,そしてSW3の振る舞いをプログラミングすることで,プログラムの実行の制御ができるという点も面白かった.今回のような組み込みソフトウェアのプログラミングを行うことは私にとって初めての事であり,また,組み込みソフトウェアが今,盛んに話題となっているユビキタスコンピューティングの中核を担うという事からも,大変な興味を持って作業を進める事ができた.
  • プログラム中にテクニカルな記述や複数のタスク処理,イベント処理など興味深いものが幾つかあった.また,世の中に多くある組み込みシステムを触れるという貴重な体験をできてよかったと思う.
  • 今回のT-Engineを用いた実習は非常に良かったと思う.以前,自分の身の回りにある家電機器や携帯電話などに,組込みシステムが使われているのを知ってから,組込みシステムに興味を持っていたので,今回の実習は非常に有意義であったと思う.T-Engineを使って,組込みシステムを体験することで,組込みシステムについて漠然としていたイメージに具体性が持てるようになったと思う.今回,組込みシステムについて学ぶまでは,組込みソフトウェアは種々の演習で作成してきたプログラムと同じ条件で実装されていると考えていたが,実際は,コストの制約やリソースの制約,リアルタイム制約など,実に様々な制約の中で実装されていることを知り,とても驚いた.普段何気なく使っている身の回りの組み込みシステムの使い勝手に,いくつか不満を持っていたりもしたが,今回の実習で,組込みソフトウェア開発の大変さを目の当たりにして,開発者の苦労の片鱗を感じ取れたように思う.そのことを考えると,今まで感じていた多少の使い勝手の悪さは,多くの制約や開発期間の短さからしてみると,許せなくもないと思った.しかし,一般のユーザは,そんなことを知る由もないので,酷ではあるが開発者は改善に努めなければならないのだろうと思った.
  • 組込みソフトウェアをプログラミングすることは,通常のソフトウェアプログラミングとは違ったおもしろさがあった.通常のソフトウェアプログラミングは,PC内で動作することが多いが,組込みソフトウェアなら,プログラムを組込んだシステムが動作することが,実際に見たり,触ったりして確認できることに興味を惹かれた.例えば,別の講義で,マイクロマウスをライントレースさせる制御プログラムを書いたことがあるが,実際にマイクロマウスを動作させて,正しく動作したときには,ものづくりをしたという実感がわいてきた.組込みソフトウェアの難点は,ソフトウェアを組み込ませることに手間がかかることである.

これらの感想からT-Engineボードを利用した講義と演習は,組込みシステムを理解する上で役立っていると判断しています.


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