家電向け小型組込みWebサーバ
Small Embedded Web Server for Consumer Use
龍谷大学 理工学部 情報メディア学科 長谷研究室
龍谷大学 情報通信システム研究センター
【展示の概要】
近年,情報通信インフラの整備が進み,一般家庭でも情報家電のホームネットワークの導入が着実に進んでいます。そこで私たちは,様々な家電製品に組込むことのできる小型Webサーバシステムを実現しました。今回展示するのは,32bitRISCマイコンを搭載するT-EngineとT-Kernel/Standard Extensionで動作する小型組込みWebサーバシステムです。展示ブースでは,マルチメディアコンテンツを含むウェブページの表示や,CGIによる遠隔操作のデモンストレーションをご覧いただけます。本システムは,ソフトウェアサイズが約1.6MB,消費電力が3.3Wと,一般的なWebサーバに比べ1/40以下となりましたので,リソースやコスト制限の厳しい家電製品へもスムーズに組み込めると期待できます。
1. 研究の背景
ユビキタス技術やホームネットワーク技術は急速に発展し,実用化の兆しを見せています。これに伴い,今後ますます,携帯電話やFAXなどの情報通信機器だけでなく,カーナビや携帯音楽プレイヤー,しいては照明器具や冷蔵庫などの家電にもネットワークへの接続可能性が求められると予想されます。特に,WWWへ接続できるサーバ機能を組み込むことができれば,双方向の通信が可能となり,新しい機能の付加やサービスの可能性が広がります。
しかしながら,従来の汎用PCによるウェブサーバシステムは,家電製品に組み込むためにはOS自身のリソースが大きすぎるという問題があります。また,これまでにもいくつかの小型Webサーバが発表・製品化されていますが,その多くは汎用CPUを用いているためH/Wの小型化が難しいと予想されます。
そこで,家電製品に今後組込み可能な,小型・省電力・低コストといった要件を満たし,小さいリソースで動作する小型組込みWebサーバを実現しました。
2.構築した小型組込WEBサーバの概要
実現にあたり,家電用組込みWebサーバに求められる条件を満たすため,メモリや周辺I/Oを集積できる,専用性の高い組込みMPUを採用しました。またOSには,リアルタイム性が確保され,かつリソースが小さいT-Kernelを採用し,さらにStandard Extensionを実装して拡張した環境上で,HTTPサーバを構築しました。
TCP/IPプロトコルスタックは,T-Kernel用のものをStandard Extension用に調整しました。その上に,開発したHTTPサーバアプリケーションを実装しました。このHTTPサーバアプリケーションのソースファイルは,「SH/M32R T-Engine Home Page」のサイト(http://www.superh-tkernel.org/jpn/index.html)にて公開されています。
3.ネットワーク機能検証のデモンストレーション
構築したサーバシステムの動作は,展示ブースにてご確認いただけます。今回の展示では,以下の2種類のデモンストレーションをご用意しています。
(1)マルチメディアコンテンツを含むウェブページ表示デモ
デモPCのWebブラウザから,サーバシステム内蔵のウェブページにアクセスして表示する様子をご覧いただけます。JPEG,FLASHなどの各ファイルは,サーバT-Eに装着するCFカードに保存されています。また,複数のクライアントからの同時接続も可能です。
(2)CGIを利用した遠隔操作デモ
家電製品がインターネットに接続可能になると期待される機能として,外部からの遠隔操作があります。そこで,このような使用方法を想定し,構築したサーバシステム上で独立動作するアプリケーションを用意し,CGIを用いて遠隔操作する機能を実装しました。展示ブースでは,スロットゲームの遠隔操作を体験していただけます。
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検証システムによるウェブページ表示デモ
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CGIによる遠隔操作デモ
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本展示に関するお問い合わせは 龍谷大学 情報通信システム研究センター 野中まで
情報通信システム研究センター:http://www.ryukoku.ac.jp/kenkyu/kenkyu_soshiki/hrc_jyouho.html

【長谷研究室のご紹介】
理工学部:http://www.rikou.ryukoku.ac.jp/
情報メディア学科:http://www.i.ryukoku.ac.jp/main/aboutus/
龍谷大学 理工学部 情報メディア学科 長谷研究室(教授:長谷智弘)では,デジタル家電や情報家電の高機能化やユーザビリティの向上を目指して,「新しい情報通信端末」「家電製品のネットワーク化」をキーワードに,以下4つの研究テーマに取り組んでいます。
- 新しいユーザインタフェースの提案
・ 掌の動きによる入力
・ 端末の動きに応じた入出力など
- ユーザインタフェースのモデル化
・ 視覚特性を考慮した表示面の評価と設計
・ AHPを用いたUI設計
・ 眼球運動を利用したユーザインタフェースの評価と設計
- 家庭内ネットワーク
・ Webサーバ/クライアントアプリの実装
・ ルーティング情報を利用したGUI設計
・ XMLとHTMLの応用システム
- デジタル通信技術
・ デジタル変復調(OFDM)
・ 情報セキュリティ
これらの研究の一部は,文部科学省 私立大学学術研究高度化推進事業 ハイテク・リサーチ・センター整備事業選定の 龍谷大学 情報通信システム研究センター「アドホック無線ネットワークの要素技術と応用に関する研究」の分担課題です。

【Ryukoku Extension Center(REC)】
http://rec.seta.ryukoku.ac.jp/index.html
龍谷大学では,仏教精神を基本とし,『共生(ともいき)を目指すグローカル大学』をスローガンに掲げ,「教育」「研究」の推進と併せて,大学の持つ知的資源を地域に広く「普及」(エクステンション)させるための取り組みを行っています。
このエクステンション活動を行う拠点がRyukoku Extension Center(REC=レック)であり,1991年に開設されて以降,「REC滋賀」(大津市瀬田学舎),「REC京都」(京都市深草学舎),「REC東大阪」(クリエイション・コア東大阪内)の3拠点を設置。また,2005年には瀬田学舎に「知的財産センター」を開設するなど,龍谷大学では生涯学習・リカレント教育事業から産官学連携事業に至るまで,多岐にわたる社会連携事業に取り組んでいます。
1994年からは,全国に先駆けて「レンタルラボ(インキュベーション施設)」を設置し,地域の中小・ベンチャー企業に提供しています。REC開設から15年余りが経過し,多くの企業が「龍谷大学発ベンチャー企業」として巣立ち,躍進を遂げています。また,産官学連携を実施するための企業と大学との橋渡し役には,専門の「産学連携コーディネータ」の配置と合わせて,龍谷大学独自の制度として「RECフェロー制度」を設け,企業の研究開発と大学の研究との双方に精通した担当者らがマッチングを行っています。
さらに,龍谷大学瀬田学舎周辺は,2004年から滋賀県が推進する「県版特区」エリアの認定を受け,2005年には大津市と産官学連携分野を中心とする協力協定を締結しました。滋賀県及び大津市から様々な支援を受けつつ,新たなプロジェクトの創出に取り組んでいます。

現在,RECが推進しているのは,独自の法人会員組織である「REC BIZ-NET(レック ビジネスネットワーククラブ)」をプラットフォームとする産官学の連携による「ものづくりネットワーク」の構築です。これまでのインキュベーション事業の成果や,プロジェクトのプロデュース実績を活かし,県版特区エリアをはじめとする滋賀県と京都府,大阪府東部地域を中心にネットワーク形成を推進。国が積極的に推進している産業クラスターの形成に向けた取り組みを精力的に行っています。

【龍谷大学】
http://www.ryukoku.ac.jp/
龍谷大学は,1639年(寛永16年),西本願寺の僧侶養成機関として設けられた「学寮」を起源としています。以来,建学の理念にもとづき,時代が求める社会の要請に応えるべく発展を遂げ,現在では,文学部・経済学部・経営学部・法学部・理工学部・社会学部・国際文化学部の7学部と1短期大学を擁する総合大学として,たゆみない教学改革に取り組んでいます。
<龍谷大学の概要>
■設置者 学校法人龍谷大学
■設置校 龍谷大学,龍谷大学短期大学部
■建学の精神
学校法人龍谷大学は,浄土真宗本願派を設置母体とし,龍谷大学及び龍谷大学短期大学部では,「浄土真宗の精神」を建学の精神としています。多くの人が理解し共に実践できるよう,次の5項目として顕しています。
◇ すべてのいのちを大切にする「平等」の精神
◇ 真実を求め真実に生きる「自立」の精神
◇ 常にわが身をかえりみる「内省」の精神
◇ 生かされていることへの「感謝」の精神
◇ 人類の対話と共存を願う「平和」の精神
■所在地
- 深草学舎(京都市伏見区)
- 大宮学舎(京都市下京区)
- 瀬田学舎(滋賀県大津市)
<その他の主な施設>
- Ryukoku University Berkeley Center(アメリカ合衆国 カリフォルニア州)
- 東京オフィス(東京都千代田区丸の内)
■教育研究組織
<学部>
- 文 学 部(真宗学科,仏教学科,哲学科,史学科,日本語日本文学科,英語英米文学科)
- 経済学部(現代経済学科,国際経済学科)
- 経営学部(経営学科)
- 法 学 部(法律学科,政治学科)
- 理工学部(数理情報学科,電子情報学科,機械システム工学科,物質化学科,情報メディア学科,環境ソリューション工学科)
- 社会学部(社会学科,コミュニティマネジメント学科,地域福祉学科,臨床福祉学科)
- 国際文化学部(国際文化学科)
<大学院>
- 文学研究科
- 経済学研究科
- 経営学研究科
- 法学研究科
- 理工学研究科
- 社会学研究科
- 国際文化学研究科
- 法務研究科(法科大学院)
<短期大学部>
<研究所>
- 仏教文化研究所
- 社会科学研究所
- 科学技術共同研究センター
- 国際社会文化研究所
- 人間・科学・宗教総合研究センター
■主な沿革
1639年 本願寺派学寮として創設される
1900年 学制更改により,仏教大学となる
1922年 大学令による認可をうけ,龍谷大学となる
1950年 短期大学部を設置する
1961年 経済学部を設置する
1966年 経営学部を設置する
1968年 法学部を設置する
1989年 創立350年記念として瀬田学舎を開設する
1989年 理工学部,社会学部を設置する
1996年 国際文化学部を設置する
2005年 法科大学院を設置する
2006年 Ryukoku University Berkeley Centerを設置する
■第三者評価等
- (財)大学基準協会「適合認定」(2007.4-2014.3)
- 格付投資情報センター(R&I)「AA-」